強い日差しを遮ることで室温の上昇が抑えられる

建物の壁に植物を這わせる壁面緑化は外観に彩りを添える、建物のアクセサリーとして扱われていました。近年になり、植物の葉や蔓が日光を遮ることで室温の上昇が抑えられると判明してからは冷房に頼らず酷暑を乗り切る方法として注目されています。成長の速い植物を植えることで、日差しが強くなる夏季には建物の外壁を覆うことができます。品種にもよりますが、夏から晩秋にかけて壁面緑化を維持することも難しくありません。冷房を動かす電気代を節約できる他、室外機からの排出を抑制できるので、ヒートアイランド現象の予防にも繋がります。壁面緑化は電力を消費せず、室内を快適に保つ効果的な方法と言えるでしょう。

壁面緑化は建物の高さを考慮することが大切

植物を建物の壁に這わせるのは簡単なことではありません。植物は蔓を伸ばし、突起物に巻き付き徐々に成長します。しかし、建物の壁は多くの場合、蔓が巻き付くのに適した突起物は存在しません。そのため、壁面緑化を綺麗に仕上げるには補助具の設置が必須と言えるでしょう。また、電線や雨どいなどの設備に蔓が巻き付くと破損のおそれがあります。トラブルを避けるには適度な剪定が欠かせませんが、植物の特性を正しく理解していないと切った部分で成長が止まったり、枯れてしまう可能性も否定できません。害虫や病気も壁面緑化の天敵なので、事前にしっかりと対処法を勉強する必要があります。植物が育つのに適した環境を整えるのが壁面緑化を成功させる必須条件と言っても過言ではありません。

近年ではインテリアとしての壁面緑化が話題になってきています。緑色は目にもやさしく、一息つける空間の創造に一役買うでしょう。